こんにちは。マイルストーン編集会3年のtwです。
今回は、不定期企画「早稲田を歩く」の第一弾として、早稲田エリアの古本屋巡りを行いました。
「早稲田を歩く」企画は、私が日本でも屈指の学生街である早稲田をもっと味わいたいと思ったことがきっかけです。
ぜひみなさんにも、早稲田の街の良さを体感していただければと思います。
・早稲田の古本屋について
早稲田エリアは、東京都内では神保町に次ぐ規模の古書店街となっています。早稲田キャンパスからの徒歩圏内に、約20軒が集まっています。
しかしどのお店もそれぞれに特色があり、全国規模の古本チェーンでは味わえない魅力が詰まっています!
・古本屋巡りレポート
今回の古本屋巡りは、4月13日(水)に筆者ともう1人のマイル員の2人で行いました!
午前11時、高田馬場駅に集合。
もう3年生になるというのに早稲田の古本屋に足を踏み入れたことがなかったので、この時点でワクワク感がすごい……!
高田馬場駅に近い古本屋からスタートし、早稲田駅周辺をゴールにして順番にお店を巡ることにしました。
1軒目:ブック・テイスト(東京都新宿区高田馬場4-8-9)
まずは高田馬場駅から歩いて1分ほどの距離にあるこちらのお店。
売っている本の刊行時期は比較的最近のものが多かったです。
雑誌・漫画・本などさまざまな種類が並んでいましたが、その中でも雑誌がまあまあな場所を占めていました。
本はハードカバーではなく文庫が中心。
そして一番特徴的なのが……店内で異彩を放つ「抱き枕美術館」。
なぜかいろいろなカバーの抱き枕も本と一緒に売られていました。
ここから、早稲田方面に向かって大通り沿いに歩いていきます。
2軒目:三楽書房(東京都新宿区西早稲田3-21-2)
この日は残念ながら営業していませんでした。また今度行ってみたいですね。
3軒目:五十嵐書店(東京都新宿区西早稲田3-20-1)
このお店は、いわゆる学生街の古本屋とは一味違いました。
古本屋というより、アンティークショップという呼び名がふさわしいかもしれません。
最大の特徴は、普通の古本に加えて歴史的価値があるような書籍が高値で売られている点。
古いものでは、江戸時代の雑誌まで取り扱っていました。
また、普通の古本といっても芸術や文化系のジャンルが多いのも特徴的。
ここで、いよいよこの日初めての古本購入。
『夢二図案集』、お値段は税込み1000円でした。
古本屋ならではっぽいものが買えて満足。
4軒目:古書現世(東京都新宿区西早稲田2-16-17)
古本屋素人の私がイメージしていたような、スタンダードな古本屋という印象でした。
ジャンルとしては、小説よりも政治系や歴史系の本が多め。また、最初に行ったブック・テイストなどと比べ、やや古めの本が多いと感じました。
ここで一緒に古本屋巡りをしてくれたマイル員が、1冊購入。
『日本の名随筆・明治』。普段は目につかないような本と出会えるのが古本屋の良いところですね。
このあたりから、一軒一軒の距離がとても近い古本屋密集エリアに突入します。
5軒目:さとし書房(東京都新宿区西早稲田2-10-16)
このお店の特徴は、外からでもわかるこの赤本の多さ。なんと半分ほどの場所を大学の赤本が占めています。
早稲田や慶應のものはもちろん、地方国立大学の赤本などバリエーション豊か。時代もさまざまで、古いものでは1982年の立教大学の赤本などもありました。
赤本以外も、そのほとんどが参考書など学習に関係のあるもの。なんだか見覚えのあるような比較的新しい参考書から、昭和28年(1953年)の『中学時代』10月号までもが並んでいました。
こんな古い雑誌を目にしたのは初めてです。もはや古本というより歴史的書物ですね。
お店の外にある台車の本が2冊で100円とのことだったので、読みたいものを買ってみました。
6軒目:浅川書店(東京都新宿区西早稲田2-10-17)
浅川書店はお店の規模こそあまり大きくないものの、中には床近くから天井まで本がぎっしり。棚だけではなく、その手前にも平積みで並べられています。
一般的な小説や文庫本よりも、近現代文学の全集や、哲学・歴史研究などの本がメインで取り扱われている印象を受けました。
ここで、偶然にもドラマを観て面白いと思った本の原作(日本語訳版)を発見。
思わぬところで安く買うことができました。なんだか得した気分です。
7軒目:三幸書房(東京都新宿区西早稲田2-10-18)
残念ながら、移転のため営業していませんでした。
3月31日までこちらの店舗で営業していたようです。
新店舗の住所は以下の通り。
8軒目:安藤書店(東京都新宿区西早稲田3-14-1)
なんとこちらのお店も閉まっていました。
再チャレンジしてみたいです。
この時点で、すでに13時過ぎ。ただ歩くのであれば20分もかからないような距離ですが、古本屋巡りを楽しんでいると時間もあっという間です。
一旦お昼ご飯のため、1時間ほど休憩。
14時ごろ、おなかもいっぱいになったところで再開します。
9軒目:二郎書房(東京都新宿区西早稲田2-9-13)
こちらも浅川書店同様近代文学の全集が多かったほか、社会思想系の書籍も豊富。
他のお店と違った点は、古い文芸誌や子供雑誌が多く取り扱われているところ。『試行』、『赤い鳥』、『キング』など、普通の本屋ではまず売っていない雑誌を買うことができます。私が見つけた中で最も古かったのは、大正時代に刊行されたものでした。
10軒目:飯島書店(東京都新宿区西早稲田2-9-16)
いよいよ10軒目に突入しました。
小説などいわゆる普通の文庫本が多めでしたが、絵本や児童書、雑誌や辞書まで置いている品ぞろえの幅広さが特徴的。また、一口に雑誌といっても、『芸術新潮』や『鉄道ピクトリアル』、手芸雑誌や料理雑誌などさまざまなものがありました。
全体的に、最近刊行された書籍が多めです。
11軒目:丸三文庫(東京都新宿区西早稲田2-9-16-101)
丸三文庫には、画集や芸術作品集といったジャンルや、学術的な本が多い印象です。
また、今までの古本屋に比べて、フランス語や英語の本が豊富でした。残念ながら内容についてはあまりわからなかったのですが、おそらく文学的というよりは学術的な内容のものが多かったように思います。
また本以外の売り物もあり、昭和33年(1958年)の指名手配の紙やペナントなどを買うことができます。ちょっと面白いですね。
12軒目:照文堂書店(東京都新宿区西早稲田3-12-1)
他の古本屋にもよく見られるようにお店の手前に本棚が置いてあるのですが、サスペンスものが多いなど中身が特徴的。
店内に並んでいる本は、政治・経済・法律・商学など大学の教科書になるような本がほとんどでした。その多くは2000年代以降に刊行されています。
そのほかには、近代文学の全集なども天井近くに積まれていました。
13軒目:虹書店(東京都新宿区西早稲田3-1-7)
お店に入ってすぐに、他の古本屋にはなかった特徴が目に入ります。それは「天皇」や「沖縄」、「マルクス主義」など、テーマごとに本がきっちりと分類されている点です。
全体的に政治や社会問題に関連した本が多く、特に第二次世界大戦と関係のあるものが豊富でした。
普通の文庫本も少数ながら取り扱っており、その値段はなんと税抜き20〜50円。
14軒目:大観堂書店(東京都新宿区西早稲田3-1-4)
このお店には、古本ではなく最新の雑誌が多く置かれていました。週刊誌からファッション誌、漫画雑誌や料理雑誌などさまざまな種類があります。
古本としては、あまり数は多くないものの、文庫の小説なども取り扱いがありました。
ここまでで、高田馬場から早稲田にかけての大通り沿いのお店を制覇。
続いてキャンパス周辺の古本屋を巡っていきます。
いよいよラストスパート!
15軒目:古書ソオダ水(東京都新宿区西早稲田1-6-3)
早稲田キャンパスの北門を出てすぐ右手にある古本屋です。
残念ながら、定休日が水曜だったため営業していませんでした。無念……。
16軒目:江原書店(東京都新宿区西早稲田2-4-25)
古書ソオダ水からグランド坂を上り、早稲田通りを八幡宮に向かって少し歩くと見えてきました。
早稲田エリアの古本屋には比較的珍しく、洋書がかなり多かったです。わかる限りでは、英語やフランス語、ドイツ語のものがありました。
もちろん日本語の本も買うことができ、ジャンルとしては政治や社会系、文化系などの学術的な本が多め。そのほかにも日本語訳版の外国小説が見受けられました。
17軒目:Opera Buff(東京都新宿区西早稲田1-2)
このお店は、オペラ関連の本や映像資料などを専門に取り扱っています。日本でもこのようなお店はかなり珍しいのではないでしょうか。
日本語のものだけでなく外国語のものまで、オペラに関する冊子や本がずらり。中には落語の本まで置いてありました。
18軒目:ブックスルネッサンス(東京都新宿区西早稲田1-1-9)
南門通りにあるこのお店。早稲田キャンパスに通っている方は、目にする機会も多いのではないでしょうか。
ここまでいろいろな古本屋を巡ってきたからこそ、一番なんでもある古本屋という印象を抱きました。
学術雑誌、健康や生活に関連する本、歴史・政治・法律などの学術的な本、漫画、画集、さらにはミュージカルのパンフレットまで売っているとは驚きです。
また、他の古本屋よりも新書の取り扱いが多かったのも印象的です。
19軒目:ヤマノヰ本店(東京都新宿区馬場下町61-15)
いよいよこの日の古本屋巡りで最後のお店です。
南門通りよりも一本早稲田駅側に近い道(らっきょブラザーズなどがある道)をキャンパス側に進んですぐのところにあります。
このお店は、教育・心理・体育・社会事業の本を専門に扱っており、小説などは売っていません。
中に入ってみると、これまでの古本屋ではあまり見なかった子どもの教育に関する本やスポーツに関する本などがこれでもかというほど並んでいました。
ジャンルを絞っている分、普通の本屋では見かけないような本を買うことができそうです。
ヤマノヰ本店を出ると、およそ16時20分。4限を終えた早大生がちょうどキャンパスから出てくるころでした。
19軒を巡るのにかかった時間は、お昼休憩を抜くと4時間ちょっと。
まさかこんなに時間がかかるとは思っていませんでしたが、それだけ巡ったお店が魅力的だったということですね。
早稲田キャンパスに通っていながら、オンライン授業中心ということもあり早稲田の魅力をあまり感じることができていなかった筆者ですが、古本屋巡りを行ったことで「やっぱり早大生でよかった」という気持ちが芽生えてきました。
早大生のみなさんも、そうでない方も、ぜひ早稲田を訪れた際には古本屋に行ってみてくださいね。